狂いなく、
巻数を揃えて並べられた、
私の本たちは、
汚れ1つなく、
そこにあった。
私は本が好きだった。
気持ちが落ち着いた。
呼吸を忘れられた。
視線を逸らせられた。
だから本が好きだった。
それでも本にはどうしようも出来ないことが起こった。
私は綺麗なものを、
どうしても壊したくなる病気らしいので、
ふと気づいたら本の数ページを破いていた。
罪悪感のような、
全く違う感情が、
私の中に入る。
私は呼吸を覚え、
息は思い出したかのように音をたて、
ありもしない視線を感じた。
これは何回目だろうか。
「好きな本」
6/16/2023, 11:01:17 AM