チャレンジ117(子猫)夏目漱石の「吾輩は猫である」の語り手の猫は、生まれた時から大変な受難である。親きょうだいから離された受難。人間を皮肉な目で見ながら、猫である誇りを忘れてはいない。複雑な幼少期を過ごし、勉学で身を立てた漱石の姿が重なる。子猫でありながらクールな語り口が、ほろ苦い。ユーモアのある小説だという人がいるが、私は、笑うに笑えない苦しさを感じる。
11/15/2024, 10:36:34 AM