夫婦
親子とか家族みたいな、ある種言葉では説明の付かない、縁と呼ばれるようなもので結ばれた関係が昔から苦手だった。
だって、それは血が繋がっているという理由だけで生活を共にしてはいるが、私が好んで選んだ人たちではないのだから。
気が合わなくたって当然だし、半ば仕方がないと諦めてもいた。
一方、夫婦はどうだろう?
これは、紛れもなく私自身が好んで選んだ関係性の人だ。
なのにあろうことか、血縁の相手よりもさらにタチが悪いではないか。
それに、自分が産んだはずの子どもたちだってそうだ。
私には子どもが三人いるのだが、三人が三人、誰一人、私の思うようには育たなかった。
似て欲しいところは似ず、似て欲しくないところばかりが継承された。
でも、きっと子どもとはそういうものなのだろう。
思うままそのまま、それぞれが自分たちの道を進んで行くのがあるべき姿なのだと。
かつての自分がそうであったように。
さて、残ったのは夫だ。
彼のことは、分かっているようで分からない。
知っているようで何一つ知らない。
分かったような、知ったような気になっていた時期もあるにはあったが、今は何周か回ったのち、何度目かの分からないというフェーズに突入している。
夫とはきっと、そんなよく知らない、分からない存在の人のことを言うのだろう、と最近は思うようになった。
お題
夫婦
11/22/2024, 10:05:57 AM