もう、幾度も見た春が来た。
500を過ぎた辺りから数えるのを辞めた
「貴方は、独りが嫌いなのですね」
家の前に捨てられていた子、その子は紳士的に育ち私の魔法が世界一だと言って目を輝かせていた。
他の魔法を見たことも無いくせにと笑った
そう、私は独りが嫌いなのよ。
「おゆるしください、あなたを…ひとりにすることを」
置いていかないでと泣き叫んですがれば良かったのかもしれない
「寝なさい、もう疲れたでしょう」
頭を撫でるとゆっくり目を閉じた
「おやすみなさい、まじょさま」
墓がまたひとつ増えた。
こんな胸が張り裂けそうな思いをまたするなんて
「だから、ひとりでいたいと…ねがったのに」
神様はなんと、無情なことか
7/31/2024, 10:13:49 AM