「あっ、あの、川田くん…」
「私、川田くんのことが好きなの。」
「えっ!?」
「もし良かったら…」
「ねぇ、川田くん聞いてる?先生呼んでたって。」
「ああ、わかった、ありがとう。」
―職員室へ行かないと。
―こんな寒いのに外で部活とかよくやるよな。
―ああ、廊下で広がって喋ってるなよ。
カキーンッ
「あっ!危ない!」
ドンッ
ガシャンッ
「キャーーーッ!」
「だっ大丈夫!?」
「…うっうん、だっ大丈夫、助けてくれてありがとう。」
「無事で良かったよ。」
「すみません、ちょっと通ります。」
「あぁ。」
「失礼します。大野先生いらっしゃいますか。」
「おお、川田!待ってたぞ。今回の模試も凄いな。満点とったやつはお前だけだったよ。」
「いや、そんな。」
「川田くん、また満点だったんですか?」
「そうなんですよ、木村先生。私も担任として鼻が高いですよ。」
「頑張ったわね、川田くん!」
「いえ、先生方のご指導あっての事ですから。」
「はっはっはっはっ」
「川田大丈夫か?」
「あっはい、すみません。」
「じゃあそういう事だから、このプリント配っといてな。」
「分かりました。失礼します。」
―あーあ、つまんないな。何か起きないかな。
『現実逃避』
2/27/2023, 10:36:02 AM