かたいなか

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前回投稿分からの続き物。
最近最近の都内某所、某深めの森の中に、本物の稲荷狐の家族が住まう稲荷神社がありまして、
遊び盛りの子狐は、食いしん坊でもありました。

特に子狐、ご近所のアパートに住む雪国出身者の藤森が作ってくれる料理が、
お母さん狐とおばあちゃん狐が作ってくれる料理の次の次くらいに大好き!
前回投稿分でも、どっさりの親鶏もも肉を買って、藤森に絵本の中の料理を作ってもらいました。

きりたんぽ鍋というそうです。
五穀のひとつ、お米を使った郷土料理なので、
子狐、ぜひ食ってみたかったのです。
だってお稲荷様は五穀の神様でもありますから。

で、そこからどのように「恋か愛か」に繋がるかと申しますと、子狐、食いしん坊仲間がおるのです。

「おいしい。おいしい」
それは雨が降って、とても涼しい夜でした。
「きりたんぽ、おいしい」
子狐は藤森に作ってもらった、400g以上の鶏肉と200g+αのきりたんぽと、200g超のお野菜と200gの無縁お蕎麦(予定)が入った(あるいは入る予定)の、
きりたんぽ鍋を幸福に、あむあむ、ちゃむちゃむ!
胃袋に収めておりましたが、

「おねーちゃん、おねーちゃん!」
突如、これを1匹だけで食べるのはもったいないと本能的に思い至りまして、
「おけしょーの、おねーちゃんも、よぶ!」
食いしん坊仲間たる「お化粧のお姉ちゃん」をも、この藤森のアパートに呼ぶことに、したのでした。

「おねーちゃん、おねーちゃん!」
コンコン子狐、稲荷狐の不思議なチカラで、かわいらしい折り紙の狐を、びゅーん!
食いしん坊仲間のお姉ちゃんに、飛ばしました。
「いっしょに、きりたんぽ、たべる!」

ここからようやく、お題回収。
折り紙子狐の稲荷お手紙を受け取った「お化粧のお姉ちゃん」は、異世界の出身で、ビジネスネームを「ドワーフホト」といいました。

「うぅぅ〜。これは……悩むぅ」
子狐からお手紙を受け取ったドワーフホトです。
ぜひ子狐へのお土産に、もちろん料理を作ってくれた藤森のためにも、あと自分も食べたいので、
東京の某洋菓子店で開催中、ジューンブライドフェアのお菓子、2択のうちの1種類を、
是非、ぜひ、持ってゆきたいのです。

ひとつは、「恋するスフレ」。
初恋をイメージしたイチゴジャムが生地に練り込まれていて、キレイなピンク色をしています。
もうひとつは、「愛するフロマージュ」。
愛情をイメージしたカスタードも一緒に使われていて、優しい口当たりをしています。

恋か、愛か、それとも。
ちなみに隠しメニューとして「本能のマカロン」なんてのもあるとのウワサ。真偽は知りません。
「どっちにしよう、どっちを持っていこう。
ううー、 どっち、どっちぃ……」

恋か、愛か、それとも。
早く行かないと、子狐がきりたんぽを、全部先に食べてしまうかもしれません!
「んん〜〜〜、んー、決ぃめたー!」
ストロベリースフレと、カスタードフロマージュ。
ドワーフホトは悩んでなやんで、
最終的に、どっちもお土産に買っていって、
どっちも一緒に、子狐や藤森と、楽しむことにしましたとさ。 おしまい。

6/5/2025, 3:52:16 AM