渚雅

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逢魔が時はとうに過ぎ、かたわれ時は遥か先。夜も更け光は帳に覆われ誰も寝静まる夜半。

人にあらざるモノの活動時間。異なる世界線が現実と混じり合い交錯し移ろいでゆく。


そんなお伽噺は遠い彼方。現代社会において光の存在しない闇など幽霊よりも尚稀有な産物へと成り果てた。

正確にリズムを刻む針が頂上を指すそんな時間であっても街は眠らず、目に痛いほどのネオンの輝きが辺りを照らし光に誘われた人々がふらふらと寄せては返す。

眠らない、眠れない、寂しい人形が。一夜の夢を刹那の熱を求めるように肩を寄せ慰め合う。美しいと言われる夜景の中そんな光景が散見するそんな世界はある種、異界よりもずっと恐ろしいのだろうと そんなことをひとり思って、さんざめく光の中溺れていった。





真夜中

5/17/2024, 2:34:14 PM