あん

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のんびり屋な君へ
久しぶりです。
お元気ですか?
俺は元気です。 毎日部屋の窓を開けて君の名前をうっかり呼びかけてしまいます。 いつの間にか君のことを朝起こすのが習慣化してたようで、少し寂しいです。

そっちはどうですか? 友達、出来ましたか?
その人達とは上手くいってますか? ちゃんと自分の意見言えてますか? そっちに俺は居ないから、意見はちゃんと自分で言わなきゃ何も始まんないので、なんとか頑張ってくださいね。

いつか言おうと思ってました。
あの時、君の言葉を最後まで聞かずに拒絶して、本当に悪かったと思ってます。
あの時の俺は、君の事がどうしても理解できなくて、何があって俺の事を好きになって、俺に告白をしてきたのか、今も理解する事は少し難しいですが、努力しています。
そして、拒絶をしてしまった事、本当に謝りたいです。

君の迎え火は君の御家族がやって下さるはずですが、俺の部屋の近くにあるベランダで、俺もこっそり迎え火を焚こうと思っています。
そうしたら、少しは俺の前に現れてくれるかもしれないので、8月の楽しみに取っておこうと思います。
今回は初盆なのでこっちに顔を出す暇は無いかもしれませんが、もし少しでも時間があれば、俺の寝顔でも眺めに来てください。

最後に、あの時拒絶してしまったのは、気持ち悪かったからじゃないんです。それは分かっていて欲しいです。
君の事が大切なのは、俺も変わってません。
ホントなら、あの時返事をするのが正解だったとは思うのですが、どうしても自分の心を見透かされたようで恥ずかしくなってしまい、逃げてしまいました。
君は俺より20cmくらい身長が高いので、隣を歩いていたら友達どころか兄弟、親子に見えてしまうんじゃないか。とか、 その後の事を考えて居たら、いつの間にか腕を振り払ってしまっていました。
その時の君の顔は、今でも忘れられません。 見上げるほど背丈の高い君の顔は、逆光でも分かるほどに傷ついていましたね。
俺は、思わずあやまることではないのに
「あ、ごめん、」と言う事しか出来ませんでした。
今になって思います。 思わず、という行動がどれほど恐ろしいものなのか。

謝ってももう君は戻っては来ませんが、せめてもの思いで君が好きだと言ってくれた耳には穴を開ける事はやめておこうと思います。

遅くなりましたが返事をしたいです、そっちに行ってからでもいいかもしれませんが俺はせっかちなので送り火の際そこに、この手紙が届く時に見て下さい。

俺も君が好きです。

せっかちな俺より

8/9/2023, 1:19:44 PM