部屋の前に、大きなイチョウの木がある。
段々と色付いていくそれは、目にも鮮やかな紅葉を見せてくれる。
毎年それを写真に納めるのが、私のひそかな楽しみだ。
陽の光りを受けてたくましく黄色を放つその姿から、
私は何だかいつも活力のようなものを貰っている気がする。
けれど、それを堪能出来るのはほんの限られた時間だけで。
気付けば少しずつはらはらと葉を落として、枯れ木へと変わっていくのだ。
そうやって、窓の外から、真正面から、ひっそりと秋の終わりを告げられる。
ああ、もう窓の外をのぞいても、あのきれいな黄色はそこにいなくなってしまうのか。
どうしても、それに寂しさを感じてしまうけれど。
何かの終わりは、きっと何かの始まりでもあると、そう信じて。
今年もまた、冬がやってくる。
11/30/2024, 1:07:13 AM