ずっと奥に進んで行っていました。上かも下かも左かも右かも、どこへ行くのかも分からずに。下はびちゃびちゃしていていて、偶にきほう玉がパチンッ!と弾けて頬に投げつけられます。歩いていく度に土は私の足を受け入れてくれます。徐々に。歩ける足が有りながら、考えられる思考がありながら、健康的な愛い体がありながら、自分の思ったことを実行できる環境がありながら。面倒なので何もしないという真っ白で真っ黒で愚かな行く末を土は受け入れてくれる。どんなにカラーを募った人でもいつかは土となり石となり山となる。皮膚が爛れきった頬は綺麗だとは言いきれんでしょう。ワサワサ、態々掻き分けてやってここまできてやったのです。大量たるものをエイャ!ホイヤ!とこの手で嬲り倒して。まだ二十代半ば、学もなく、知恵も無く、行動力も無く、無作法にしょぼくれた後悔と言うなの今はなき幸福に紛れ込んだ失敗を使い自分を正当化し、微動だにしない自分を慰める。先日唯一のバイトを隠退した。なけなしの金は滞納していた家賃諸々と親への仕送りで消えた。今後の人生のお共は土です。公園です、宙ぶらりんと頑張って浮かぶブランコの上に人は足を置き、体重をかけ、ギィギィと悲鳴をあげさせます。ああ、かわいそう。まああ、かわいそう。かわいそうに。かわいそうーーーーー!……人は可哀想だという人の言葉に非常に敏感で可哀想がっています。他人を可哀想だと見下す感が嫌いなんだと。ハン、無差別に人を見下すバカがよく言う。人は何かに必ず潜んでいる。もちろんススキも。
11/10/2024, 7:47:11 PM