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大好き

「ここに来て、何日が経つかな…」
返事はない。けど、息はしてる。
あぁ、生きてるならば返事はいらない。
本当は欲しくてやまないけど。

2週間前。
「楽しみだね♪」
俺はその時、彼女の提案で小島のリゾート施設に行く途中だった。
その時、船が転倒し、俺たちは知らない無人島に打ち上げられてしまったのだった。

あげく、彼女は体調不良になってしまい、不衛生な環境なので、直るばかりか酷くなっていく一方。

うまくろれつが回らなくなり、喋る事ができなくなってしまった。もちろん返事も出来ない。

だから、俺が「どうする?」って聞いても返事は無いし、愛を伝えても返事は無い。



ぁあ、なんだか…
意識が遠のいてきた。

「大好きだよ…」

俺も、もうダメ、なのか。

「わ…も…」

彼女が、口を開いた。

「わ…も、らい、すき…」

「わ…たし、も…」

「私も…大好きだよ…!」




1人が星になった日、大好きと伝えて欲しい。
そう願うようになったのは、他でも無い彼女だろう。

3/18/2025, 12:25:59 PM