たーくん。

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教室内に響くシャーペンで紙に書く音。
皆は授業に集中しているが、俺は授業より見たい人がいる。
隣の席に座っている、美月さん。
さらさらと流れるような長い髪をしていて、見入ってしまうほど美しい。
美月さんは唇にシャーペンを当てながら、授業を聞いている。
時折、耳に掛かった髪をかきあげる仕草が……エロい。
刺激が強くて、鼻血が出てしまいそうだ。
美月さんは俺の視線に気づいたのか、チラッとこっちを向いた。
俺は慌てて前を向く。
じーっと見てたのがバレたかな……。
「大島君っ」
美月さんが、俺の肩をトントンと叩いてきた。
思わず身体がビクッと跳ねてしまう。
やっぱり……バレたか。
覚悟を決め、恐る恐る美月さんの方を向く。
「大島君、ここっ」
美月さんは俺を見つめながら、鼻の下に指をさしている。
俺の鼻の下?
自分の鼻の下を触ってみると、指に水のようなものが付く感触。
指を見ると、赤い。
俺の鼻からさらさらな鼻血が出ていて、制服のズボンにまで流れていた。

5/28/2025, 11:14:57 PM