NONOZATO

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妻→れいな  旦那→かいと

妊娠した

初めてのことで私はすぐに旦那に連絡した。旦那も大喜びして、二人でハグをした。そのあと旦那と子供の名前を考えた。「男だったら勇気、女の子だったらナズナにしよう」そう旦那が明るい声で言った。
子供が生まれた。名前はナズナ。生まれたばかりで言葉もうまく喋れず、とてもかわいかった。そして、ナズナはどんどん成長していき4歳の誕生日を迎えた。そんなある日私は台所で夕飯の準備を、旦那は仕事をしていて、ナズナは2階の部屋で一人だった。夕飯ができた。私はナズナを一階から呼ぶ。だが、返事がなく直接2階に行った。
「ナズナ!!」ナズナは2階の窓から落ち、意識がなかった。その頃、旦那は仕事終わりで電車に乗って帰っている最中だった。駅のホームでスマホが鳴った。
「もしもし?どうした?もうすぐで家に着くよ」旦那は落ち着いた様子であと少しで家に着くことを妻に知らせる。
「違うの!ナズナが…ナズナが2階の窓から落ちたの!!!」
それを聞いた旦那はさっきより早口になり急いで家に帰ることを妻に伝えた。
帰宅
「ナズナは?!」
「今、救急車を呼んだところよ…もっと私が早く呼びに行っていれば…」
「俺ももう少し早く帰ってきていれば…」
救急車が家に到着し、ナズナは病院に運ばれた。だが、ナズナは助からなかった。そして私と旦那は次の日もそして一週間、1ヶ月たっても元気を取り戻すことはなかった。
「もう、、子供はいらない」と私はそう小声で夕飯を作りながらつぶやいた。


妊娠した
始めはただ単に嬉しかった。
子供が生まれて大きくなった。だが、子供が大きくなるにつれてかいとは私のことを構ってくれなくなった。ナズナばっかり。悔しくなった。
小さな頃に友達からもらったノートに1日の日記を書いた。
?月?日
子供ができた。とても嬉しく涙が出た
?月?日
今日は一日かいとと喋れていない
?月?日
ナズナの誕生日久しぶりにかいとと話した
?月?日
ナズナの夕飯抜き
?月?日
どうしたらかいとは私をみてくれるんだろう?
わかった。ナズナがいなくなれば…

深夜1時半、目を瞑り、ノートを片付けた。
布団にはナズナの寝かしつけで途中で寝てしまったかいとと大の字をして眠っているナズナがいた。
「夢の中でパパに最後の挨拶をしてね…」心の中でそう言った。
次の日
「ママー!」
「はぁーい」
「抱っこして!」
「いいよー!」
ナズナは笑った。笑顔がかわいかった。だが、私にとってはかいとを奪った子。そう思うと怒りが込み上げてくる。
午後4時半
私は2階部屋の窓を半分あけ、そこにナズナを座らせた
気づけばナズナはいなくなっていた。
「さよなら、ナズナ、私のこと空で見ててね。あと、呪わないでね。」
私は悪くない。だって…、あの子が勝手に滑って落ちたんだもん。

<私の子供>

11/6/2024, 9:48:57 AM