初心者太郎

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—作戦失敗—

学校に桜の木が多く植えてあるせいで、学校の周りには、枯れ葉がよく落ちていた。
俺の所属するサッカー部は、いつも朝練前にここを清掃する。地域貢献活動の一貫らしい。

「今日の掃除も長引きそうだな」

幸太はニヤニヤしながら言った。
実は掃除の時間が長ければ、この後に行われる朝の走り込みが短くなるのだ。皆にとって、それが一番嬉しかった。

「みんなゆっくりやれよー」蒼が皆に向けて言った。

教室に居なければいけない時間まで、あと一時間十分。俺たちは、四十五分かけて掃除した。
落ち葉を詰めたゴミ袋をきっちり処分すると、顧問の山岸先生の元に、皆で戻った。

「綺麗にできたか?」

先生の言葉に「はい!」と元気よく返事する。

「時間もないし、今日の朝は自主練にする。各自でしっかり練習するように」

また返事をして、今度は心の中でガッツポーズをした。

そのまま解散するかと思われたが「あと、午後の練習のことで伝えることがある」という始まりから恐ろしいことを告げられた。

「これから朝ランを午後に回すことにした。やっぱりこの時期は、落ち葉が多いから掃除が長引いてしまって、最近は走り込みが足りていない。春大会に向けて体力つけるためにも、皆、頑張ろう。じゃあ解散」

皆の返事は、小さく、そして重かった。

お題:落ち葉の道

11/26/2025, 8:19:43 AM