やさしさなんて
偽善的な声かけが胸を刃物のように突き刺す。
まだ頑張れるよね。
頑張れ。
君ならできるよね。
大丈夫でしょ。
頼りにしてるよ。
優しいね。
強いね。
そんなもの私は求めてない。
私が欲しいものは寄り添ってくれる温度だけ。
何も言わずにそこにいて音を感じさせてくれたらいい。
期待してるからなんて言わないでよ。
それは優しさじゃなくて暴力だよ。
あなたは独りじゃないなんて、機械的に言わないでよ。
本気で私を想うならただ静かにそこにいて。
そしてお話を聞いて欲しいの。
よく頑張ったね。
もう大丈夫だよ。
きっととても疲れたんだよね。
お疲れ様。
同情なんていらないの。
私も同じって言わないでよ。
それが一番痛いから。
私だけの痛みのアイデンティティを奪わないでよ。
私もその時にねなんてやめてよ。
下手に同情しないで。
辛いのは私もって言ってるようなものじゃん。
偽物の慰めなんて要らないの。
それが優しさだとしても受け取りたくないの。
一方通行な自己満足を押し付けないでよ。
そう思って喉奥に貼りついた言葉は私の口内で舌に絡み
目の前にいるあなたの為に優しさで流し込んだ。
優しさなんて、結局は自己犠牲なんだよ。
8/10/2025, 11:11:42 AM