霜月 朔(創作)

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時を告げる



満月の夜は、
言いようもない不安に襲われ、
眠れなくなります。

満月は私を狂わせます。
不安は焦燥感に変わります。
私は奥歯を噛み締め、
じっと耐えるのです。

私は耳を澄ませます。
夜明けの時を告げる鐘の音を、
只管に待っています。

夜が明ければ、
満月の恐怖から、
開放される。
そう信じて。

貴方の温もりを頼りにして、
貴方の手を握り締め、
貴方の鼓動の音に、
時が過ぎ行くのを重ねます。

……。
私と貴方の、
悪夢の戦いの夜の、
終わりを知らせる、
時を告げる鐘の音が聞こえた時、
私が正気で居られたら、
一杯褒めて下さいね。

9/6/2024, 6:34:33 PM