言葉にできない
最近私は、好きな人が出来た。その人はかっこよくて、背も高くて、話し上手であり、聞き上手だった。私の理想のすべてを持っている彼に恋をした…初恋だった。
そのことを彼氏がいる親友に相談すると
「えっ!嘘でしょ?!」と笑いながら言った。
もしかして、私が好きな人はもう相手がいるのか?彼に、いけない噂があるとか?この言葉は、どういう意味なんだろう。なんで笑っているんだろう?そんなことを考えていると親友が口を開いた。
「そうね。わかった!あなたの恋を応援する!私の"大切な"親友の初恋だもん!」と笑顔で言ってくれた。嬉しかった。この初恋を絶対に実らせ、1番に報告しよう。そう思った。
次の日から私は親友を通してだが、彼に好きなタイプや髪型、性格を聞いた。私なりに頑張って彼の理想に近づけた。
そんなある日、廊下で親友と話していると彼から話しかけてくれた。
「最近髪型変えたんだね。似合ってる。"可愛い"。」と。私は、顔が火照るのを感じた。頑張ったかいがあった。たった一言だったが、私は嬉しくて涙が出そうだった。近くにいた、親友の顔を見るとニコッと微笑んでいるように見え私は、
「嬉しい。ありがとう!」と言った。彼は、
「フッ。フハハハ。いいよいいよ!」と大笑いして、去っていった。私の反応が素直すぎて、子供のように思えておかしかったのな?困った反応を見せた私に親友は、
「ハハハッ。声大きすぎ。あぁ〜マジ笑える。」と。
私の声が大きすぎたみたいだった。恥ずかしい。笑われて当然だ。でも、彼は私の理想だった。もうこの人に告白をしてみよう!そう決めた。このことを親友に言うと
「あぁ〜。うん!頑張って!」そう言ってくれた。
次の日私は、彼に
「放課後、話したいことがあるから屋上に来てくれませんか?」と。すると彼は
「あぁ〜。いいよ。フッ。ごめん。昨日のこと思い出した。」私のことでまだ、笑っているみたいだ。恥ずかしいから、やめてほしい。いや、やめてほしくない。彼が私のことで笑ってくれている…私は幸せだ。
放課後
私は、少し遅れて行った。なぜなら彼に、先に屋上にいて欲しかったから。ふぅ、と息を吐く。大丈夫、自分なら。と思いながら、ドアを少し開けたとき声に聞き覚えのある二人が会話していた。
「…マジ笑えるよな〜!ちょっと可愛いって言ったくらいで顔赤くなってさ〜、声もバカデカかったし!あっ!でも、お前の"大切な"親友だっけ?言ってなかったの?俺らのこと」
「あぁ〜。うん。別に"大切"じゃないけどね。クラスでずっと一人で、あんた見てニヤニヤして。終いには、あんたの事が好きだって!告白するんだって!からかいたくもなるでしょ?ハハハッ。早く来ないかな〜!ネタバラシしたいよね〜。"私の彼氏"なんだけど…って。ハハッ。」
私は、涙が溢れた。彼は、最初から私に気がなかったのだ。終いには、"親友"は"親友"ではなかったようだし。最後の最後で、彼に想いを伝えられなかった…この気持ちは言葉にできなかった。
4/11/2024, 1:29:22 PM