「めくる」というと、上を覆っているものを剥いで下にあるものを出すことらしくて、例えば着物の裾なんかも「捲る」。
通勤電車で立ったまま文庫本を読んでた人なら、左手で持って親指でページを換えるだけだけど、例えば映画化された『薔薇の名前』なんかみてると、ヨーロッパの中世の本ってのはでっかくて、たぶんあれは時祷書みたいに美麗な装飾がされているんだけど、それが薄暗い広間にずらりと並んだ天板が傾斜してる書見台に鎖でがっしり固定されてて、修道僧たちはそのでっかい羊皮紙でできたページを、指を舐めなめひっくり返してた。
今のタイとかネパールとかのアジアの僧院では、世界各地から中古のタブレットを寄進してもらって、大量のテキストがPDFになった端末を、子供の修行僧たちがひょいひょい読んでるらしい。
どのスタイルでも楽しそうだし、実際に楽しい。
9/2/2025, 7:35:34 PM