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「なぁ……勿忘草の花言葉を知ってるか?」
 突然、彼は私にそう問いかけた。勿忘草とは、明るい青色をした小さな花が、何個も集まって咲く一年草だった気がする。彼が、私によく似合うと云ってピアスや髪飾りを贈ってくるから見慣れてしまった。しかし、花言葉は考えたことが無かった。彼は私が贈り物を身につけると、それはもう愛しい目で見つめるものだから。あまり気にしていなかったということもある。
「花言葉?んー……ごめんなさい。わからない」
「あぁいや、別に良いんだよ。……君が花言葉を知っていて僕からのプレゼントを貰っていたとなると……どんな想いを抱いていたのか気になっただけだから」
 そんなことを云いながら、彼はふわりと優しく笑う。その顔を見て、彼の笑った顔が好きな私は、じんわりと心温まるのを感じた。
「そうだ、せっかくだし花言葉を教えてよ」
 私は彼の想いがプレゼントに詰まっていたのを知っている。しかし、それがどのような言葉に表されたものなのかわからないのだ。せっかくなのだから、教えてもらおう。私がそう言うと、彼はパチリと瞬きをして、次の瞬間には本当に楽しそうに笑った。
「ははっうん。いいよ。勿忘草の花言葉はね……」



「真実の愛」「誠の愛」「私を忘れないで」



2/2/2024, 11:04:27 PM