耳を澄ますと
耳をよく澄ますと、聞こえてくるなき声。
海外の方が虫の声を、ただの雑音としか聞こえない話を思い出した。西洋人は虫の声を音楽脳で処理し、雑音と捉えることで意識しなくなるという。
対して日本人は言語脳で受けとめるため、日本人は虫の音を虫の声として聞いているのだとか。
なき声をただの雑音とするのではなく、ちゃんと声として聞きとることができるのは、とても素晴らしいことではないか。無意識の内に拒絶してしまうことなく、耳をすませばあちらこちらから聞こえてくる。気づくことができる。
しかしたまに思ってしまう。逆に存在を認識していても、無視してしまう人が多いのではないかと。ずっと聞こえていて、ずっと見えているからこそ、何もしない。その素晴らしい感性と、その素晴らしい観察力を無下にしているのではないだろうか。
もったいないなぁ。
だから僕は、なき声の主に話しかけた。
5/4/2024, 1:27:46 PM