テーマ 鏡の中の自分
華やかに飾られた大きな劇場の舞台の真ん中で少女が喋る。
「ねぇねぇ」
「なに?」
舞台の真ん中にあった鏡に彼女の姿とは似てる、違う人間?が浮かんできた。
「どうして鏡から出てくれないの?」
「...それは分からないわ」
「どうして僕と目を合わせてくれないの?」
「君と深い関係があるから..だね」
「では、君の目を引くために僕が一曲踊ってやろう」
そう言い、一人の少女は観客の方に目をやり、一曲踊り始めた。その姿は華麗で、虚しくて、観客たちや鏡の中の少女さえも目を見開いて少女の踊りを見ていた。
「..あ、やっと目を合わせてくれたね」
にこっと微笑む少女。
「...やめて、やめて、やめて」
「どうしたの?」
「「「あなたのほうが知ってるくせに!!!!!」」」
鏡の少女と、観客たち全員が言った。
「..ぇ」
理由のわからない少女はただ疑問で頭が埋め尽くされている。
「ねぇ」
「...なに」
鏡の少女が問う。
「どうして僕を殺したの?」
観客たちなんか居なく、そこには殺気を纏った一人の少女が居た。
「..ぁ、そうだった」
悩む少女。
「あなたのことが憎くて憎くて仕方がなかったの(笑)」
少女が喋る。
「....ぇ、なんでなんでなんでなんで友達だったじゃん!!!親友だったじゃん!!!」
「さぁね、さようなら昔の僕」
そう言い、少女は霧となって消えた。
「..もう救いはないのね」
もう忘れ去られた昔の子、昔の自分が
今日も、明日も、涙を流す。
おわり
11/3/2024, 11:27:10 PM