記録

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本当に稀だが、ふとどこからかバイオリンの音色が聞こえてくることがある。

優しい音色が少し控えめに響くその時間は、長くても僅か一時間ほどで終わってしまう。

きっと彼の元へ直接出向き頼み込めば弾いてくれるのだろう。

だがそれは何か違う。

余計なことは何も考えず、彼自身の思うがままに演奏しているからこそ、この音色は完成しているのだと。

だから今日も近くの壁に寄りかかり、微かに聞こえる君の奏でる音楽をたぐり寄せるのだ。


【君の奏でる音楽】

8/12/2022, 10:21:47 AM