たーくん。

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大画面ディスプレイに描かれた俺達の未来図。
俺達が自分で描いたのではなく、AIが描いたものだ。
十五歳で市役所に行き、未来図を生成することが憲法で定められている。
政府がAIになってから、自分の未来図も勝手に決められるようになってしまった。
将来安定のために、未来図通りにしなければならない。
従わないと……処罰される。
「お、俺は自由に生きるんだ!AIに未来を決められてたまるかよ!」
近くに居た男子がディスプレイを蹴り、出口へ向かって走っていった。
「そこの男子!止まりなさい!」
アンドロイド役員が男子に銃を向ける。
……そうだよな。
未来図っていうのは自分達が描くもので、誰かが描くものじゃない。
俺はアンドロイド役員を後ろから蹴り倒す。
「皆も行こう!未来は俺達が決めるんだ!」
「おおー!」
俺達は男子のあとに続き、出口へ向かって走った。
だが、もう一歩というところで、シャッターが降り、出口が封鎖されてしまう。
「お前達、そこまでだ」
アンドロイド役員達に取り囲まれ、逃げ場がなくなる。
俺達の未来と自由は、完全に閉ざされてしまった。

4/14/2025, 11:24:10 PM