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また、もうすぐ6月が来る。そして、42歳を迎える。世間で云う立派な孤独なおじさんだ。

3年前に離婚歴あり、妻とは一年の別居の末、お別れした。それでも、それなりにお付き合いする女性には恵まれ、寂しい等と感じることは無かった。

昨年12月にも、些細なことで考え方のズレが生じ、正直に「面倒くさい」と感じてしまい、さよならを彼女に告げた。

結局、自由が良い。この歳になっても、若かりし頃の感覚や残り香が自分を纏っており、歳を重ねるとそれを上手に隠せるようになっただけだ。

ふと、ベッド横のサイドテーブルに置いてあるマネークリップに目が止まる。昨年の誕生日に彼女がくれた物だ。

12月に別れた彼女の最後のLINEは「幸せでした。さよなら」だった。

今更ながら、自分は幸せか?なんて考えて生きていただろうか。ということは逆説的に、彼女の幸せも考えていなかったことにならないか。

その刹那、ひとりベッドの上で、とてつもない焦りを覚えた。

題:刹那

4/28/2024, 6:53:14 PM