もうすぐ12月だ。
意気込んで買った自己実現系書き込み型の手帳は
8月から書けた日の方がめっきりと少なくなっている。
とてつもないあの日は訪れた。
一生に一回しか感じえないだろう感情を引き連れて。
…それからというもの、手帳に日々のことを書き込むこともままならず、ココにも辿り着けなかった。
この世に生きているのに
息をしていないような
時が止まったままで
彼は時折、写真の中から笑いかけてくる。
ありがとうなのか
悲しいなのか
ごめんねなのか
心の中にある感情を探って
正解を見つけようとしても
時間だけが過ぎていく。
忙しさだけが目の前にある。
心がふらふらしているのが分かった。
あの日以来、心を落ち着かせて文字を書ける日が
全くと言っていいほど無い。
自分の中の好きな静寂が訪れないのだ。
冷蔵庫の稼働音だけがかすかに鳴っていて
唐突に誰にも話しかけられることもなく
カフェインのない何らかのお茶が淹れてあって
ああでもないこうでもないと
字を探索している
私の好きな静寂。
ああ、私、静寂ってものが
好きだったな。
たった今、
私の好きだったものを一個感じることができたから
またここから歩いていけるような気がした。
一筋の光は
見えなくても近づいていくもの。
黒よりかはグレー、そして薄い灰色を見つけるように。
11/5/2024, 4:24:17 PM