こんにちは。さようなら

Open App

「貴方が好きです。大好きです。貴方がいなければ生きていけない。あなたのいない世界なんて意味はない」
 狂ったように繰り返される言葉。
 あなたはいつも私を抱きしめてくれる。固い身体、静かな吐息、私より少し高い体温、ぬくもり。
「貴方が生きているだけで、側にいてくれるだけで幸せなんだ」
 慰めるように背中を撫でる大きな手。私は彼の胸を顔を埋めて、彼の香りを嗅ぐ。何年も変わらない。キスはいつもミントの味がする。たまにタバコの匂いも。
「……あ」
 急に、彼の動きが止まってしまった。目がガラス玉のようになり、マネキンのように固まってしまう。
「充電するの忘れてた」

 今日も魔法のような夢を見る。

2/23/2025, 5:57:04 PM