風雪 武士

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✧明日世界がおわるなら……。

「そうですか、やっぱり地球に巨大隕石が落下するのは防げないんですね!分かりました。教えてくれてありがとうございます。失礼します」
僕はお礼を言ってスマホを切った。
電話の相手は防衛省の大物。
世界の政府は、全人類がパニックになるので地球に巨大隕石落下の事実を隠蔽していたのだ。
僕はホテルの支配人、日本スタッフ、ネパール人スタッフ、お客様を集めてこの事を伝えた。
みんなで話し合った結果、全員、実家やネパールに帰国する事になった。
ネパール人スタッフの飛行機などの交通費は僕が全額負担する事にした。
お金などもう必要ないのだ。
「風雪さん、今まで本当にありがとう!お世話になったね」
支配人は感謝の言葉を言った。
「こちらこそ、ありがとう。寂しくなりますね…。お元気で…」
僕も最後の挨拶をした。
全従業員は車に乗り込み、立ち去った。
僕は彼らが見えなくなるまで手を振った。
様々な思い出が脳裏に浮かび、いつの間にか涙を流していた。
その時、トルコ猫が近づいて来た。
「トルコ猫ちゃん、ここに居たら危ない!今すぐ逃げろ!!」
僕は猫翻訳アプリを使用して言った。
「逃げるってどこに逃げるの?間もなく地球は崩壊するんでしょ?だったら私の命を救ってくれて、他の野良猫から守ってくれて、美味しいお魚をくれた恩人のあなたと運命を共にするわ」
トルコ猫はそう言った。
「そうか、ありがとう!まさか猫と最後の時を迎えるとは僕らしいや、おいで」
僕とトルコ猫は抱き合った。
「あら、初めて触らせてくれたね」
「最後だからサ−ビスよ」
その瞬間、とてつもない轟音が地球上に鳴り響いた。
そして、地球は崩壊した。


地球に巨大隕石落下は、あと1000年以上ないのでご安心下さい。








5/7/2026, 11:51:35 AM