▶73.「あの夢のつづきを」
72.「あたたかいね」
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▶65.「幸せとは」※更新しました。
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1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
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〜人形たちの知らない物語〜
____が王城から離れ、いくつか町を過ぎた、とある夜。
宿屋の一室に、誰かが一人忍び込んできた。
「遅いぞ」
「悪い。尾行されていないか確認するのに手間取った」
大した驚きもないのは、その誰かを待っていたから。
入ってきた男は、今の____とほぼ同じ容姿をしていた。
「そりゃ明日は我が身だな。間に合ってくれて助かった」
「おう。それでな、やはり外側だけのレプリカがやっとだった。代わりに2つ仕上がった。確認してくれ」
男が取り出したのは、王城を出る際に渡された『ワルツ』、ただし見た目だけのレプリカだ。
「上出来だな。あと一つは」
「手筈通り、仲間に預けてある」
「すまないな。もっと私に技量があれば本物を持たせてやれたのに」
「それを言うなよ。大丈夫だ、お前か王ほどでもなければ見破れないさ」
「今の私たちのようにな」
「そういうことだ。技術棟への手引きも王城から2つ前の町に準備できている」
王自ら作り出した強力催眠機器『ワルツ』。
これを複製し、サボウム国王城に仕込む。
王の計画ではイレフスト国とフランタ国の首脳陣に催眠を掛ける予定であるが、
サボウム国も巻き込み、戦乱を望む奴らを一網打尽にする。
これが____たちの計画だ。
戦乱や政治に使われるのは嫌だ。
ただ己の技術を磨き、熱く語り合っていた頃に戻りたい。
そういう仲間の集まりだ。
____は、それに賛同する形で共に行動している。
「いつか、あの夢のつづきを」
「ああ。あの夢のつづきを」
忍び込んできた方が宿に留まり、
____は、入ってきたルートを辿って外に出て、
仲間と合流するため町に向かった。
1/13/2025, 8:56:30 AM