誰よりも傷つきやすい君だから、僕がずっと守るよ。
「ごめんなさい。わたし、いつもあなたに頼ってばかりね。もっと強くならなきゃ」
そう言うけど、なにも気にしなくていいんだ。君に頼られるのは嬉しいし、もちろん負担でもない。君を守るのは僕の当たり前だから。
「わたしもあなたを守りたいの。わたしだってあなたがとても大事なんだよ? だから、ね。わたしを頼ってね」
……違うんだ。
僕は、君を失うのが一番、怖い。生きていられなくなる。
たぶん、誰よりも傷つきやすいのは僕だ。「守る」のは君だけでなく、僕自身も含まれている。
強いフリをしていなければ、夢は果たせない。
「大丈夫。わたしとあなたがいれば無敵よ。なにも心配いらないわ」
ああ、そうか。君にはとっくに見抜かれていたんだね。
彼女の体温に包まれて、凝り固まっていた部分が少しだけ、溶けて消えた。
お題:誰よりも
2/16/2023, 3:19:33 PM