山百合

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・13『日常』

キルケーが海上に浮き上がった時スキュラは一目見てピンときた。
元凶だ。私に怒りを感じている、優越感も。
見下されてたまるか。スキュラの腰辺りに顔を出している犬達もキルケーに向かって唸り声をあげている。

「お前の顔を犬にしても良かったんだぞ」

「やりたいならやれば?」

「お前をこの海で一番の怪物にしてやろう。海は荒れ、船は転覆し男達が最後に見るのは醜いお前だ」

「暇なわけ?他にやることないの?私は行くわ」



こうして
スキュラは意外とその持ち前の精神で海の日常も受け入れた。足の代わりの犬達も可愛らしい相棒だ。
海で溺れた人間達を飽きることなく助ける毎日を送っている。

結局あれからグラウは姿を見せない。
どーでもいーけど。

【おわり】

6/22/2024, 1:45:04 PM