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天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、

君はよく、天気の話をする。
今日だって君は天気の話をした。
「今日も雨だね、もう梅雨かー。もしも、今が梅雨ならもう時期夏だね。」
君はそう言ってほくそ笑んだ。
今の君は、目元の隈がよく目立つ。
真っ白な肌に飴玉みたいにキラキラ光る瞳に、うっすらと赤くなっている頬。
_______昔の君は輝いていた。
見える物全てが新しい物のようにして君はよく、目を大きく開けて飴玉のようなキラキラ光る瞳を、落としてしまいそうな程、楽しそうにする君が、大好きだった。
君みたいな人は他にいない。
僕の目に映る君は、
全力で笑って、怒る時は真剣に怒って、
相手が泣いているとまるで自分の事のように泣いていて、
逆に相手が喜んでいると自分の事のようにして共に喜んで、
助けて助け合って……
君の周りだけ、まるで魔法がかかったかのようにしてキラキラしていた。


















ある日突然その魔法が解けてしまった。
君にかかっていた魔法が解けてしまった。
君はまるで電池が切れた玩具のように動かなくなった。
沢山の人が君を助けようと奮闘した。
でも、僕にはわからなかった。
頭が真っ白になっていた。
何がどうなって、君がどうなるのか……
僕には分からなかった。
君の親が、僕の頭を撫でる。
君の親は涙目で、僕まで涙が出そうだった。
でも、僕は泣けない。
こんな時に泣けない僕が嫌になる。
それでも、僕と君は違うし、周りと僕は違う。
僕は他の人みたいに大っきくない。
君の言っていることが、周りが言っていることが、僕には理解できない。
でも、真っ白な部屋で1人寂しそうに眠っている君を見ていると僕は心底悲しくなる。
虚しくなる。
胸がきゅぅって締め付けられるんだ。
ある日、君が目を覚ました。
白い服を着た男とか、女の人がやけに慌ただしくなっていた。
君の親もほっとしたように笑っていた。
そんな中、僕は白服の男に見つかって、君の真っ白で綺麗なお城から追い出されちゃった!
酷い話だな。
全く…僕だって心配しているのに。


君にどうしても会いたかった僕はありとあらゆる方法を試したんだ!
そしたらなんと、君の部屋に通じる僕だけの道を見つけちゃった!
嬉しくて嬉しくて、思わず飛び跳ねた。


そこから毎日、君の家に通った。
今日も、君の親とか、他の人に内緒で君の家のお城のように真っ白な窓から君の部屋に入る。
そしたら、君はあの飴玉みたいな瞳に白い布をしていた。
僕は訳が分からなくなった。
_____部屋を間違えた?
そんなはずない、この人から臭う匂いは君のものだ。
頭の中が?で詰め尽くされる。
そんな時、君が目を覚ました。
「……___?_____なの??」
君が僕の名を呼ぶ。
僕はそれに答えるようにして鳴いた。
すると君は僕の頭を撫でてくれた。
顔は見えなかったけど、きっと呆れているんだろうな、そう思った。

君は僕の頭を撫でながら僕に質問した。

「……今日は雨が降っていたの?」

「!!」

僕は思わず驚いたんだ!
だって、君はその目に付いてるもののせいで分かんないはずなのに、あの水に気がついたんだ。
僕は何度も頷いた。
なんども そうだよ! と言った。
そしたら、君は悲しそうな顔をした。
ただ、一言

「あと××週間……」

確かにそう言った。
何があと××週間なんだろぅ?
僕にはよくわからなかった。
その日から、君は毎日天気を訪ねてくるようになった。
その日をさかいに君はどんどんやつれていった。

ある日の夜、君は言った。
「明日の天気はなんだろうね。」
僕は答えた。
「きっと雨だよ。」





________天気の話より、君の話が聞きたい。
珍しくそう思った。
いいや、君の話を聞かないといけないと思った。
冷たくなった君が、夢に出てきちゃうから。


5/31/2023, 11:05:19 AM