小学五年生。
四月八日はクラス替えの日だ。
私は、一年の頃から仲良しな久美ちゃんと同じクラスになりたかった。
校長先生の長くて眠くなる話が終わり、いよいよクラス発表の時間。五年生は皆、多目的室へ向かった。
誰と同じクラスになるか、胸の中はずっと不安だった。久美ちゃんとは同じになれなくても、ようこちゃんやマキちゃんとは同じになりたかった。二人とも久美ちゃんほどではないが、仲良しだ。多目的室でも当然隣同士に座った。
先生が一組から順番に名前を読み上げていく。
一組の時点では私も久美ちゃんも呼ばれなかった。でも二組の発表のとき、久美ちゃんの名前が呼ばれた。心臓がドキッと跳ねる。次に、ようこちゃんも呼ばれ、マキちゃんまで呼ばれた。私は祈りながら名前が呼ばれますようにと両手を合わせた。
けれど、私の名前が読み上げられることはなかった。
私は四組。
ひどいショックだった。
もう一度クラス替えをやり直してほしいと願ったが、そんなことが叶うはずもない。
久美ちゃたちと、
「休み時間は絶対に遊ぼうね!」
と約束したが、その約束は果たせなかった。
四組では席替えするためのルールで、休み時間はクラスの全員で遊ぶ必要があったから。
時々、遊んでる最中にこっそり抜け出したが、すぐにクラスの子に見つかってしまい久美ちゃんたちと遊べなくなった。話も全然しなくなって、仲良しだった子が遠くなってしまった。クラスが違っただけなのに、私たちははなればなれになってしまったのだ。
悲しくて仕方がなかった。どうして私だけ違うクラスなんだろう。久美ちゃんとようこちゃんとマキちゃんが更に仲良くなったように見えて、自分一人だけのけものになった気分だった。
だけど、いつしか四組にもいい友達ができた。毎日遊ぶことでクラスに絆も生まれた。だから私は嘆くのをやめ、同じクラスの子と遊ぶことに専念したのだ。
この先もきっと、数えきれないほどの別れがあるだろう。そして新たな出会いもある。私はその出会いを大切にしていこうと胸に刻んだ。
11/17/2023, 5:03:02 AM