ふとその名前を見つけた時。私の脳裏に走る何かがあった。けれどその何かがどういうものかまではわからない。ただ脳に、一一恐らくは記憶に。何かが訴えかける感覚しか分からなかった。しかし私の口からは思わず言葉が漏れ出す。「一一よかった」何が良かったのか? そんなこと、何も分からないけれど。頬を伝う雫があることに気づいて、きっと、本当に良かったことがあったんだろうなと。そこで思考を閉ざしてその場を離れた。
3/25/2025, 10:23:16 AM