ノナメ

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 雲行きが怪しい、僕はそう思った。
そうなのにも関わらず学校の貸し出されている傘を横目にしながら昇降口を出た。昇降口から3、4歩ほど歩くと小雨、それから5、6歩歩き、校門を前にすると自転車置き場のトタン屋根を打ち付けるような雨が降ってきた。
 僕は、こんな妄想をする。後ろから女の子が駆け寄ってきて傘に入れてくれるのではないかと、そんなことがあるはずがないのはいうまでもない。主観的に見れば僕は妄想の世界で女の子に傘に入れてもらっている、しかし、客観的にみると僕は雨に佇み、妄想によりやや口角を上げてるただの変人だった。

8/27/2023, 7:06:55 PM