るに

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頭もお腹も痛くて
連休明けってほんと憂鬱。
そんなことを思いながら家に帰っていると
花柄のワンピースを着た女の人を見た。
存在が不安定というか、
なんだか足が透けて見えた。
放っておいて帰ればよかったのに
気になって声をかけてしまった。
どうやら幽体離脱的なことになっているらしい。
本体は親友と一緒にいるから
心配しなくてもいいと言う。
私はあなたのこと心配してるんだよ。
少し励ましのような言葉をかけた。
それからは毎日、
行きと帰りだけ一緒に歩いた。
幽体離脱の原因は
多分毒親からだと教えてくれた。
朝昼晩のご飯の写真を迫られ
3時間に1回は電話をかけ、
仕送りは月2回、
暇な日はバイトを掛け持ちしろと
親と言うより上司みたいな人だったようで。
何度も嫌だと言おうとしたが声が出ず、
家族の愚痴なんて言ったら嫌われそうで
親友にも相談できなかったんだそう。
まさか一緒に歩くだけの私に言うとは。
私相談しやすそうに見えんのかな?
ある日
知り合いのお見舞いに行った帰りに
車椅子を押して歩く女の人と
すれ違った。
もしかしてと
早足でワンピースの子の所に向かった。
喜んで安心した様子で
後を追いかけると
私に礼を言ってくれた。
車椅子を押してた子、
"Good Midnight!"
と言っていたように聞こえた。
友情って素晴らしいんだなぁ。
そこら辺の穴場にある芝生に寝転んだ。
向かい風も追い風も
今はただのそよ風で
気持ちよかった。

1/7/2025, 3:08:44 PM