一件のLINE
私のLINEのトークリストには、
未だに彼のトークルームが、
一番上にピン止めしてある。
彼と喧嘩別れした日からずっと、
メッセージなんか、
来たことなんてないのに。
彼の名前をタップしてみる。
メッセージの最後の方は、
私が送ったメッセージばかり。
それは全部未読のまま、
ずっと変わらない。
彼が、私個人のLINEを、
ブロックしていることなんか、
嫌って程、分かってる。
それでも、私と彼は同僚だから、
もしかしたら…って。
ある日の午後。
ふと届いた、一件のLINE。
通知に表示された、彼の名前。
慌てて開くと、
『会議開始時刻変更
15時→15時30分』
…ただ、それだけ。
でも。嬉しかった。
久しぶりの彼からのLINE。
例え、それが業務連絡だとしても。
彼に伝えたい事は、
泣きたくなる程一杯ある。
だけど。今は。
彼への愛しい想いも恋しい想いも、全て。
たった二文字に込めて、送ろう。
『了解』
彼の想いが戻ってきた。
既読
13:28
7/11/2024, 7:14:58 PM