黒山 治郎

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嘯く声が花の様に香る
少女と見まごう君の微笑みに
怪し恐ろしの花畑を垣間見る
香り立つ分だけ脳内には警鐘が鳴る
こいにおちてはいけない

嗚呼、けれど

風に弄ばれた髪とともに煽られた
幻想の花弁が目を塞いでしまうから
上も下も右も左も知り得ないままに
膝は勝手に笑って足元ごと掬われて
浮遊感だけが鮮明になってしまった。

その日は嫌に快晴で
アガパンサスの花が
目眩を呼び起こして
君の姿は眩く輝く。

ー 花畑 ー

9/17/2024, 7:05:40 PM