「あの日の温もり」
あの日から14年が経とうとしている。
あの日、飼い猫が散歩に行ったまま、
午後14時46分に経験したこともない揺れが襲った。
ラジオから流れてくる耳を疑うようなニュースが流れ
新聞から目を覆いたくなるような記事と写真が掲載されていた。
「ちゃちゃは無事なんだろうか…?」
揺れが続く夜に怯えながら、
ちゃちゃのきょうだいたちと別なきょうだいたちが
ワタシの足元で眠る子も居れば布団の中に入ってきて眠りに就く。
日中は飼い猫が帰って来れるように開け、
買い物に行く時と夜は閉めを何日か繰り返してるある日
家事をしていたら
「うんにゃん♪」
聞きなれたリズムが付いた声
紛れもなく「ちゃちゃ」の声
声がした窓の方を振り向くと
茶色の毛色の猫が座っていた
「ちゃちゃ!無事かっ!怪我してないかっ?」
ちゃちゃの全身を見る
両手両足を触り握る
ちゃちゃを抱き上げる
「にゃうにゃう」(抗議の声)
「あ、ごめんごめん」
何処も怪我も打ち身もしていない。
恐らく安全な場所でじっとしていたのが良かったのか。
「おかえり。今、ちゃちゃのご飯出すね」
あの日の数年後にちゃちゃは亡くなったけど
あの日のちゃちゃの温もりは忘れない
2/28/2025, 10:16:16 PM