【誰よりも、ずっと】
君が生まれたお祝いとして贈られた。
私はウサギのぬいぐるみ。
柔らかいピンク色。
一緒にお昼寝して、お出かけして。
たくさん遊んだね。
いつからか、
ベッドフレームの上が私の定位置。
寝転びながら手紙を読んだり、
スマホを弄ったりする、君を見つめる。
友だちと喧嘩した泣き顔。
初めてデートの約束をした嬉しそうな顔。
家族も知らない表情の君を見守れたことが、
私の誇り。私の幸せ。
さらに時が過ぎて、私は今、
真っ暗闇の中にいる。
ふわっと身体が宙に浮いた。
左右から圧を感じる。
柔らかな布の感触と、よく知る匂い。
どすん。身体に振動を感じた。
今日、君は生まれ育った家を出る。
次に光を浴びるころ、
君はどんな顔をしているのだろう。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだり。
いろんな表情の君を、
誰よりも近くで応援できる。
ずっと、ずっと。これからも。
4/9/2026, 2:02:39 PM