太陽の光が、窓を開けたリビングに入ってくる。
俺の口からでた初めの感想は「眩しい」ではなく「暖かそう」だった。だって、2匹の飼い犬────キャバリアキングチャールズスパニエルたちが気持ちよさそうに日向ぼっこしているのだから。
それと同じことを思ったのだろう。俺の隣に腰掛ける貴方も「気持ちよさそうですねぇ。」と和んでいる。
「そうだ。私も寝ちゃおっ♪」
貴方は普段お淑やかで大人しいが、時々こうやって、いたずらっ子のように笑ってくれるのである。そこがまた、可愛らしい。
立ち上がって、俺の隣から離れていってしまう。その瞬間、心に穴が空いたような感覚がして、俺の心を満たしていたものが一気に零れていった。行かないでとのばした手は、貴方の長い髪からほのかに香る甘い匂いに遮られてしまった。
そんな俺の様子など知らずに、貴方は床の日が当たる部分に寝転がる。眠っている犬たちの邪魔はしたくないのだろう。犬たちから少し離れた所で大の字になって目を瞑った。
どうして貴方はいつも俺の心を弄ぶのだろう。隣にいると期待させておいて、それを平気で裏切るなんて。
「・・・仕返しだ、馬鹿。」
俺もソファーから立ち上がると、寝返りまで打って呑気に眠る貴方の横に寝転がった。貴方の、まるで幼子のような寝顔が、俺の真正面にある。
俺はその唇に、そっと、自分の唇を重ねた。
#そっと
(学業が忙しくてあまり更新できなくてすみません。「俺」と「貴方」の関係はご想像におまかせします)
1/14/2025, 4:19:31 PM