青々と茂る葉桜の下で、いじらしく咲く君を見た。僕の春は、青嵐に乗ってやってきた。桜の葉が落ちはじめ、風が色をさらう。褪せた花びらを押し潰して、栞を作った。二度と読まない本に挟んで。あの桜の下で、花が咲くのを待つことにした。春、桜が狂い咲く。美しく、疑わしい。(梶井基次郎さんの「桜の樹の下には」より''桜の下には死体が埋まっている''に影響を受けています。)秋風のことを''色なき風''って言うんだってさ。
11/14/2024, 2:04:02 PM