ピンポーン!
インターホン越しに確認しながら応答すると、「荷物のお届けです」と言う
荷物はほぼ置き配を頼んであるので、どこからかの贈り物だろうか…
玄関先に置いておいてくれるよう頼むと、依頼主から直接手渡すように言われているとの返事だ
最近はほとんど配達員の顔も見ることもないからその人がいつもの人なのかさえ分からず、置き配に頼っている危うさを感じながら渋々玄関へ出た
手渡されたのは薄い封筒が一枚
確かに受け取った
差し出し人に心当たりは無かったが、応募したことさえ忘れていた景品でも当たったのかしら…と、少し心を躍らせながら封を開けた
中にはメッセージが書かれたカードが一枚と、その中に大切そうに鳥の羽が一枚同封されていた
その羽は澄みきった青空を思わせる様な鮮やかなブルー
メッセージにはこう記されている
「あなたにこの青い鳥の羽をお届けします この羽を携えてパソコンかスマートホンをご覧下さい あなたに幸運がありますように」
狐につままれたような、魔法にかけられたような奇妙な気持ちだったが、こちらからアクセスしなければ大きな被害に遭うこともないだろうと、とにかく開けるだけ…とスマホを開くとすぐに真っ白な画面が立ち上がった
よく見ると、画面の一番うえにタイトルのようなものが書かれている
ここに何かを書けと?
目の前では、私に書くことを促すようにあの青い羽が優雅にゆらりゆらりと揺れている
それが、この世界への入口だった
『突然の君の訪問。』
8/29/2024, 4:36:13 AM