「そんなのやだ!」
「ははは。」
「よくあるたとえ話だろ。マジにとるなよ。」
明日世界が終わる。と、したら何をする?誰と過ごす?そういうたとえ話。会話のネタ。お題。
やだよ。考えただけでぞっとする。
大好きなオレンジジュースも赤い箱のチョコも
黄色の袋のハーブキャンディももう食べられない。
いやいやちがうちがうそうじゃなくて。
「普段通りに過ごす。愛する人と抱き合って眠る。
好きなものを好きなだけ食べる。ちょっと悪いことをする。最後まで抗ってみる。まあいろいろあるな。」
「他人のじゃなくてあんたの話を聞きたいんだけど。」
「はは、どうだろうな。先に君が話したまえよ。」
「僕は特に無いよ。まあ、うん。」
あ、そうか。そうだよね。
ふたりはふたりきりで最後を過ごしたいよね。
私はおじゃま虫だな。害虫だ。
「よし決めたよ。私はね。」
ふたりがふたりきりで過ごせることを確認したら
さんにんでピザを食べてコーラを飲む。
そしてオレンジジュースとチョコとキャンディを持って
ふたりの知らないどこか遠くに行こう。
ひとりは嫌いじゃないし、慣れているから。
私の大好きなふたりと離れるのはさみしいけれど
それが良さそう。
うんうん。だから今日も
みんなで楽しく過ごすんだ。
大切に、大切にね。
明日世界が終わる
もし本当にそんな日が来たら
ふたりとも、じゃあねって
泣かないで言えますように。
明日世界が終わるなら
5/7/2024, 5:07:12 AM