秋茜

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ティーカップ

四角いティーカップ、三角のティーカップ。星形のティーカップ……。
なぜ、あまり見かけないのだろうか。

変化とは――比較で生まれるものだ。
普通ばかりではつまらない。
“変わったもの“がひとつくらいあっても良いのではないだろうか。

独自の価値観や創造性と、商業的な需要は基本的に相容れないもの。とは分かる。

インフルエンサーなどの火付け役とその後追いが作る一過性の偶像が、特に“価値“として扱われる世の中。
そうした存在が“三角のティーカップ“などを宣伝すれば、
例えそれがどんな物でも、落とした飴に群がるアリのように客が集まってくるだろうけど。
しかし、そうでもなければ、わざわざ売れない物を作り損をする義理はどこの瀬戸物屋にもない。そんなところだろうか。

しかし、単純にティーカップとしての役割を考えるとどうだろう。
三角や四角のティーカップが見当たらないのは、そう小難しい話以前に“飲みにくい“から、という単純な理由からだろうか。そうかもしれない。

そんな事を考えながら、私は丸いティーカップを手に取り、カゴに入れた。

11/11/2025, 1:32:14 PM