星の見えない夜空に浮かぶ赤銅色の月。
赤い月は、こちらでは不吉なものとされているらしく。
迷信深い君ももれなく、子供の頃はソレを信じていたらしい。
赤い月が出ている時は隙間無くカーテンをキッチリと閉めて、頭から毛布をすっぽりと被り、お祈りの言葉を唱えてから寝るそうだ。
しかも朝まで目を開けてはいけないらしい。
大真面目に毎回やっていただろう子供の頃の「かわいい」君を想像して、あまりの可愛さに思わず身を捩り掌で口元を被った。
やってみたい、と隣に腰を下ろす君に言えば、渋々といった感じで頷く君。
カーテンを締め切った真っ暗な寝室で、君と二人ベッドの上。
毛布の中、手を繋いで目を閉じ、子守唄のような君の囁き声に耳を傾けた。
テーマ「二人ぼっち」
3/22/2024, 4:59:31 AM