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 道を行き交う人たちの、イルミネーションを見て楽しそうに笑う気持ちがわからなかった。
 ただ木々が人の都合で電飾を巻かれ、それが季節の風物詩のようになっている光景が不思議だった。
 その輝きの美しさがわからなかった。

 ……漠然と、何かを変えたかったのかも知れない。

 寒空の下、一際大きな木の一番上。
 イルミネーションの一番目立つ場所。
 輝く星に、手を伸ばしたの。
 それが作り物だと、わかっていたけれど。

 その星を指差して何が楽しいのか、無邪気に笑う人を何人も見たの。
 そんな光を手に入れられたら何かが変わるかもなんて、愚かで短絡的なことが過ってしまったの。
 人に紛れられない私でも、街を照らす輝きの一部に紛れられる気がしたの。

12/14/2024, 4:45:51 PM