晴れた空の 高さに似合うような
そんな言葉を 探していた
貼り合わせた日々の 隙間を縫うように
微睡みが 零れ流れていく
そんな秋の夕暮れ。
この世界から君が消えて
ようやくそれも世界に馴染んできて
でもこの夕景に探してしまう
揺れるバスの窓には逆さまの僕だけ
橙に染まった鱗雲に
二重の虹がかかって
この世界の片隅は
無限の美に引き延ばされているらしい。
この虹の深さを、鮮やかさを、
君にどうやって伝えよう。
この空の高さを、清々しさを
どうやって呑み干せばいいのだろう。
こんな言葉を探しては埋めて、
いつまでも僕は綴るのだろうか。
やがて
秋の葉に誘われて
言の葉が朽ちるまで。
(秋晴れ)
10/18/2024, 10:47:43 AM