コロナ禍が始まってから何年も祖母のもとを訪れていなかった。
今年の祖母の誕生日、親に急かされて面倒がりながらも送ったメッセージ、ありがとう会いたいですと返信が来ていた。私は基本的にLINEなどは何日も未読無視するタイプで、当時も御多分に洩れずああ返ってきたと思いつつも開かずに放置していた。
数日後に祖母の訃報が届いた。
突然のことにてんやわんやの葬式を終え、あっという間に半年が経ったが、私は祖母からのメッセージを未だ開けないでいる。
私の未読は、会話を雑に終わらせないためにボールを持っておきたいという意思表示だ。このメッセージに既読をつけたら、祖母とつながった最後の糸が切れるような気持ちがする。
葬式の日の火葬場からの帰り道、車の窓から祖母の家が見えてきたとき、今すぐにでも玄関の扉が開いて、祖母が笑顔で出迎えてくれるような気がしてならなかった。あの温もりがまだ失われていないと思いたかった。
まだ当分既読はつけないだろう。
9/21/2025, 9:35:55 AM