NoName

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「いや…!」と、長年連れ添った彼女は私を振った。
万全を期したプロポーズであったのに



残ったのは手に残る指輪

ぽつんとおいていかれてしまった指輪

もう手には触れられることはない指輪

おもいでさえも作れなくなった指輪

指輪、指輪、もう何も考えられない「私」
「私」は指輪と似ている、おいていかれて
手にはもう触れられることはなくおもいで、さえも

もう。






「私」みたい。

9/19/2024, 12:33:53 AM