「どなたか、私とKissをしてくれませんか」
1人の女性が、街道を歩く男性に1人ずつ声を掛けていく。
とても美しい女性だった。
声を掛けられた男達は、みな驚いた様に目を開き、少し考えると、どこか恥ずかしげに、どこか遠慮がちに首を横に振った。
その様子を見ていた私は、せっかくあんな美しい女性とキッスが出来るのに馬鹿だなぁと思った。
女性は道ゆく男達に順番に声を掛けていく。
いよいよ、次は私の番だ。
当然、私の答えは決まっている。
濃厚なKissを、夜が明けるまでしてやろう。
なんなら、場所を変えたっていい。
などと考えながら、胸を踊らせ女性がこちらに来るのを待ち構えていたのだが、
女性は私を素通りして、後ろを歩く男性へと声を掛けていった。
2/5/2024, 3:50:32 AM